2012年04月28日

ここに学校があった

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 飛騨市神岡振興事務所(旧神岡町役場)は磯崎新の初期の作品として知られる。その裏に、ひっそりと残された昔モダンな門。両側に古い桜の木。傍の石碑に、『ここに船津尋常高等小学校があった』と刻まれている。
 2年ぶりの神岡祭は例年より数日遅めの日程となった。桜がまだ残っていたのは幸いであった。夜祭(還御)までの数時間、スケッチをして過ごす。落花盛んの花吹雪。町内を回る祭り囃子が、どこかしらから聞こえ続けている。門は史跡になったけど、町は変化しながらも生き続けているのだ。人々に愛されている神岡の町を再確認させてくれた日。
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2012年04月20日

乗鞍遠望(伊西峠より)

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 神岡市街地と山之村を結ぶ、長い曲がりくねった道。これでもかと思うほどヘアピンカーブが連続し、自虐的な気持ちにさえなりかけた頃、伊西トンネルが見えてほっとする。まるで苦行のような道中に救いがあるとすれば、尾根筋を通る時に垣間見える、乗鞍の遠望。いつも目的地への道を急ぎ、はっとしてそのままになっていたが、今日はひとつ停まってじっくり見てみよう。山之村へ行くのはとりあえず中止。
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2011年10月09日

道ばたの地蔵さま(飛騨市神岡町小萱)

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 伸びやかに開けた小萱台地のまん中あたり。見過ごしてしまいそうな小さな地蔵様が4体、路傍に並んでいる。もとは別々の場所にあったものが農地や区画整理等で寄せられたのだろうと思うが、素朴で自然な様子に心惹かれた。
 描き始めて3日目、仕上げにかかっていたその時、老人がやって来た。すぐ傍で描いている私の方には目もくれず、真直ぐに地蔵様に向かい、手を合わせた。
『今日もお地蔵さまのおかげで、元気に働くことができまして、ありがとうございます。・・・・南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。』
思わず私も筆を置いて、共に手を合わせていた。
そうか、お地蔵さまのおかげなんだ...。あやうく描くだけで終わるところだった。おじいさん、ありがとう。
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2011年03月29日

雪の門(跡津川)

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 考えてみると、毎年3月にはあまり絵を描いていない。
飛騨で3月というと、雪が溶けて大地が見え始めるが、まだ花は無い。
土が見えるのは喜ばしい事だが、美しさでは厳冬期の雪景色には叶わない。
また3月は1年の区切りの季節。別れの季節でもあり、普段と違う業務、忙しさと気ぜわしさ、それに1年分の疲れが来るのか、どうも調子が出ない。そんな事を言い訳にしていてもしかたがないので、今日は自分を思い出すために出かけてみた。
 茂住辺りで少し探索するも、見つからず。2月に描きに来てとても気に入った場所、跡津川にまた行ってみる事にした。やはりここでも雪はおおかた融けている。車を降りるとカモシカが2頭、前方の斜面を駆け下りていった。歩いていくと、次は猿に出会う。しばらくすると今度はウサギ。ああ、ここは動物達の暮らす場所なんだ、と思う。融け残った雪が、門のようになっていた。しずくが光りながら絶え間なく落ちている。これを今季最後の雪景色としよう。横を見るとまたカモシカ。じっとこちらを見ている。他に人は誰も居ない。用心のため車に熊鈴を取りに行く。が、描き始めるといつかそれも忘れていた。
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2011年02月26日

跡津川にて

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神岡町跡津川。国道41号の土(ど)で右の道に入る。
スーパーカミオカンデのある跡津坑口を過ぎると急に谷が深くなってくる。山の中腹に刻まれた、ガードレールの無い細い道をおそるおそる進む。こんなに奥に入ってきて良いのだろうかと思い始めたところに一つ集落がある。そこが跡津川。ここまでは除雪されているところを見ると、冬も人の出入りがあるらしい。屋根の雪が段になっているのは、雪下ろしの跡。こんなに山奥の、急斜面にへばり付くように建つ家々の、どれもが重厚な造りであることに驚く。なんて美しい村。風景を壊すものが見当たらない。ふと気になって携帯を開く。圏外。あきらめて、自分を解放し、景色の中に入っていく。
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2011年02月08日

立春の足跡

吉田ー立春の足跡

飛騨の冬の話題と言えば、雪の多い少ない、氷点下何度・・・などだが、
この冬の場合はとにかく寒い、ということ。
雪の量は驚くほどではないが、一月はよく凍みた。
それが、立春から日差しが変わった。
光に誘われて外に出た。(神岡町吉田にて)
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2010年09月19日

常蓮寺

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飛騨市神岡町吉田常蓮寺。アトラス飛騨および飛騨市観光サイトによると、
『吉田常蓮寺(龍洞山太子堂常蓮寺)
 元亨3年願智房永承により開基された浄土真宗本願寺派の古刹。「聖徳太子御自作十六歳御木像」がまつられている。境内周辺には県天然記念物の「身隠し杉」や市重要文化財の山門、市天然記念物の銀杏「お葉つき銀杏」などがあり、毎年7月24日には『太子踊り』が開催される。』などとある。
 この寺とその周辺だけで、どれだけでも絵になる風景は見つかるのだが、いつ来ても気になってしまうのが、この、本堂と庫裏を結ぶ渡り廊下。やっぱり気になるところを置いてはおけないので、ここから描くことにした。
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2010年08月08日

常蓮寺にて(神岡町吉田)

石段

久しぶりに常蓮寺でゆっくりした。改めて良いところだと思う。
どこを見ても描きたくなるばかりだけど、まずは石段の羊歯に挨拶。
今日は少し曇り日。暑さもそれほどでなく心地よい。
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2010年06月05日

転轍機と新緑(旧神岡鉄道)

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新緑がとても素敵で描き始めたけど、思った通りその日には仕上がらなくって、変わりそうな上の方だけはその日に彩色して、線路部分は後日に。1ヶ月後のさわやかな日曜日、やっと今日、仕上げられそう。廃線跡を活用してレールマウンテンバイクをやっている山口さんが覗きにきた。油を注してやっと動くようにしたんだとポイントを切り替えて見せてくれた。端を番線で巻いてある枕木は設立当初からのものだと言う。良い栗材は防腐剤もなしに今まで保っている。何十年もの間、この鉄道を守り続けてきたもの。犬釘一つとっても何か語りかけてくる。
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2010年05月08日

神岡の春(山田川)

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2010年02月27日

神岡_冬三題

雪の神岡。二年越しのスケッチも。
昨年は正月に大雪が降った後それ以上積もることなく、やがて消えしまったので、続きが描けずそのままになっていた。
今冬はよく降った。
二月ももう終わり。
とりあえずここまで三点。

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雪   2010.1.14


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横坑社宅   2010.2.1

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高原川_段丘の底にて    2010.2.18


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2009年09月19日

坂下写真館(飛騨市神岡町)

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 夕べは神岡に泊まったので今日は朝からスケッチ。こんな機会は滅多に無い。
喫茶店でモーニングと思ったが見つからないのでコンビニでサンドイッチとコーヒーを買って『町の休憩所』で食べた後,久しぶりの神岡散策。少し歩くだけで次々と描きたい場面に遭遇する。ここのところの低調がどこへやら,やはり神岡は私を元気にさせてくれる町なんだと改めて認識。きょうは坂下写真館へ行こう。ここは以前から描かなきゃと思っていたところの一つ。
 10時より描き始める。少しすると,通りかかった人や近所の人がいろいろと声をかけてくれる。神岡のこういう気さくなところが好き。近くのお寿司屋さんが茗荷の押し寿司を差し入れてくれる。絶品。写真館の人が中で休憩をと声をかけてくれるので、少しお邪魔する。魅力ある建築に出会っていつも思うのだが,外観に感心して中に入るとさらにまた感心する。ここも例外ではなく,内部も昔のままを美しく保存してあり,とても素敵。ひなたぼっこに出て来られた写真館のばあちゃんが,日陰に居る私のところに来てくれて,いろいろ昔話を聞かせてくれた。船津の大火で焼けた後に建てられたこと。流葉から見た船津の大火の恐ろしかったこと。その後この写真館に嫁いだこと。これを建てたおじいちゃんがモダンな人だったこと。神岡の町の景気が良かったこと。SAKASITA PHOTO STUDIOの意味を子供たちに聞かれて教えてやったこと・・・。
 日が西に傾き,体が冷えてきた頃,やっと仕上がった。
 うちへのお土産に,茗荷寿司を一折買って帰った。


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2009年09月13日

野の仏(神岡町森茂)

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 しばらくぶりのブログ投稿。描いていなかったわけではないが,気分的にずっと低調だったかもしれない。抜け出したわけではないけれど,近況を。まずはここから。

 ある人からの依頼がきっかけで道端の地蔵様を探している。そして初めて知ったことは,昔ながらの場所にそのままある地蔵様を見つけるのは至難の業だということ。
昔はおそらく村の境界などの道端にあったものが,農地改革や道路の拡張などにより,元の場所から近くの別の場所に移された。今のところ見つけた地蔵様や道祖神たちは全て,数体をまとめて祠に奉ってあったり,或は墓所などに古い墓などと一緒にしてあるなどの形であった。そんな中でも,比較的自然な感じの地蔵様が山之村にあると聞いて,急いで出かけてスケッチしてきたのがこれである。
 描いていると,道の向かいの家でおばあさんが手招きするのに気付いた。時間がないので挨拶だけして描き続けていると,一度家に入って、今度はスーパー袋を下げてこちらへ渡って来ようとするのが見えた。なんだか足取りが危なっかしくて,描くのを中断しておばあさんのところへ行くと,『これはうちのご先祖様やで,よう描きにきてくれた。ご先祖様も喜んで御座るで・・・』『田舎のものやで美味しいものではないが,,これもって帰ってくれ。うちでとれたもんやで』と,野菜の入ったスーパー袋をくれた。『これは絵になる,』などと勝手に決めてスケッチしていた自分がなんだか卑しく思えた。
 その晩のごはんに,もらったささげと茄子を煮て食べた。ささげがこれほどおいしい豆だったとは知らなかった。
 
 この夏は他に,蓮畑に通ったり,また夏休みが明けて高校の球技大会を描いたりなど。

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 大賀蓮(丹生川町北方)

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 体育大会(飛騨神岡高校)
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2009年06月29日

北陸電力 土第一発電所(飛騨市神岡町)

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土(ど)に久しぶりに来た。
3年前、雪に押しつぶされそうだった鉱山住宅は姿を消していた。
『大正7年竣工』と刻んだ石が嵌め込まれたレンガ造のトンネルと、
青く澄んだ水が轟々と流れる石造りのダムが今日の目当。
描いていると不意に機械の重くきしむ音。まわりには誰も居ない。
『自動運転注意』の看板に気がつく。水量の調節だろうか。
この奥には、スーパーカミオカンデのある神岡鉱山跡津坑口があり、
さらにずっと奥は大多和峠(閉鎖されています)を経て有峰湖に至る道。
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2009年06月04日

風景の秘密は・・・

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 マーガレットが咲いている。とてもいい。
数年前の秋、この場所を描いた。題は『ある風景』。
 何の変哲もない国道端のこの景色に、なぜか惹かれてしまうその秘密を見つけなくては、と気を入れて描き出したのだが・・・。
 どう切り取っても平凡な構図になってしまう。とりあえずできるだけ広い範囲を描いてみよう。描いているうちにわかるかも。
 石垣の石積みに熱中する。電線を描き入れる。黒い小屋を塗る。緑がきれいだ。でも奥行きが出ない
・・・嗚呼、今日も解くことができなかった。『ある風景』の秘密。
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2009年05月19日

球技大会(飛騨神岡高校)

バレーボール大会

今日は飛騨神の球技大会の日。予選リーグはグランドで。
ここへ通って5年になるけどこの学校の絵をあまり描いていないことを思い出す。
野球部のベンチに坐って見る。
赤錆びたドラム缶は寒い時期の焚火用か。
黒い森に白い体操服が映える。
今日はパステルで。
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2008年10月21日

未完の城(飛騨市神岡町)

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役場の周りはこれまでの神岡探訪から抜けていた場所だった。
ある日何の気なしに歩いてみて驚く。5年前、神岡を歩きはじめた頃のわくわく感を思い出した。土地の段差、坂道、抜け道、重なり合う屋根・・・。そして城下の道でふと振り返った時、この家に出会った。
コンクリート打ち放しの何とも言い様のないその外観は、圧倒的な存在感を持って目の中に飛込んできた。ぐるっと周囲を廻る。飛び出した鉄筋や塗りかけの壁。どうやら作りかけらしいが、この先どう仕上げていくつもりだったのだろう。
住んでいる人に描かせてもらう許可を得る。お父さんがこの家を作りかけて途中で亡くなったのだと言う。今は93才のお母さんと住んでいるとか。「小学生が『幽霊屋敷』なんて言うんや。」と苦笑する。昔の神岡の話をして、人がどんどん出て行くと言いながらも「やっぱり生まれ育った町がいい。」と言う言葉にほっとする。
ガンバレ神岡。
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2008年09月04日

役場前にて(神岡)

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描きたかったのは銀色に輝くモダンな庁舎・・・ではなく、そのすぐ側の黒い家。磯崎新設計の神岡町役場(現神岡振興事務所、1978年竣工)は往時の神岡の勢いを彷佛とさせる。ここを訪れた何度目かにふとこの黒い家に目が停まり、釘付けになってしまった。たぶんこの役場の建物ができる前から此所にこのようにして建っているのだろう。このアンバランス、どこか危うい感じが、良い悪いは別にして神岡の町の不思議な魅力ともつながっている様に思う。こんなふうに言うと神岡の人は気を悪くされるかしらん・・・。
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2008年07月01日

亀谷醤油店(神岡町旭川)

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 神岡の町歩きでこの界隈は心惹かれる所である。その中でもひときわ目を引くのがここ「亀谷醤油店」。建物は77年ほどと言うから昭和6年ごろか。凝った銅板葺きの壁面は富山から職人が来たとか。立派な看板は39年前、御主人の手作りと聞いて驚く。
「富山の仕入れ先がな、『醤油を川に流しとるんでないか』と言うほど毎日たくさん売れたんや。」おばあさんが話す。「四斗樽を三段も四段もズラッと奥まで積んでな・・・。」昔はそれだけ味噌醤油の需要があったことと、神岡の人口が多かったと言うことだろうが、それにしても今からは想像もつかない。
今はそのおばあさんが一人で店を守っている。「でも、もうエラいで、今あるだけで仕舞おうかと思っとるんじゃ。」
 4日通って少しずつ仕上げた。醤油瓶のケースを椅子代わりに借りると座布団を敷いてくれた。そしていつも缶コーヒーと。
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2008年05月27日

緑陰にて(神岡/月見橋)

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その昔神岡の人口は今の3倍近く。3つの映画館に競馬場まであったと言う。旭川、古い料亭のある通りを月見橋から眺める。昔の花街にほど近い所。玄関を通らないで部屋へ通じる別の出入り口があったとか。山田川沿いの葉桜の緑陰が気持いい。描いていると上品な女将さんがさりげなく気を使ってくれる。
もうすぐ蔓薔薇が咲くと話してくれた。
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