2009年07月19日

歌舞伎座にて

090719kabukiza.jpg
 歌舞伎座さよなら公演の高山巡業のポスターを目にして、歌舞伎座が建て替えられることを思い出した。高山巡業も良いが、これはやはり現地で見おかなければと、東京へ行く機会に寄ることにした。チケットは7月一杯はすべて満席。あとは当日並ぶ『一幕見席』で入るしかない。四階の、まるで天井桟敷のようなところだが、それでも中に入れるし芝居も見れる。
 朝9時過ぎ、歌舞伎座に着く。外から少し写真を撮りながら構図を考える。人と同じ構図は面白くない。既に窓口の方には20〜30人ほどの列ができている。開場は10時半。列に並ぶのは大嫌い。並ぶ場所からでは絵にならない。ちょっとひるんだが、今を逃すと機会は無いと思い直し、9時半頃列につく。すぐに後ろにも並ぶ人がつき、列が伸びてくると、「早く並んで良かったんだ。」と少し気が楽になる。文庫本を読みながら時間を過ごすが、並ぶというのはどうも自分に似合わない。係の人が列の人数をカウントしに回ってきて、やっと気持ちが固まる。
 開場時刻が来ていよいよ中へ。赤い絨毯(?)の敷かれた階段を上へ上へと上り、四階へ。舞台は遠いが1番前の列に座れたのでよく見える。イヤホーンガイドを借りる。お芝居はいろいろ解っていて観る方が楽しめるらしいということを何回かの経験で感じたので。結果的にはやはり正解だった。初めて観る時にはお勧め。演目は『五重塔』(幸田露伴原作)。大工十兵衛が勘太郎、源太は獅童。遠くても、「本物」が目の前で演じているというのはやはり感激だ。(二幕目の『海神別荘』(泉鏡花原作)の玉三郎も観たかったけど、弁当を買ってないのと帰りの時間を考えて一幕だけ観ることにしたが、結果的には二幕観る時間より後まで歌舞伎座に居ることになった。)
 一幕目が終わり、劇場から出て階段を下りる途中の踊り場からふと外に見えた景色に心が動いた。歌舞伎座の表からは見えない場所だが、この建築の凝った作りの迫力が間近に見て取れる。迷わずスケッチブックを出した。絵の具はおいてきたのでペンで仕上げるしかない。立ったまま、昼時だが外に一度出るともう入れないと思いそのまま描き続ける。1時間ほど経った頃、歌舞伎座のスタッフの女の子が『どうぞ!」とお茶のペットボトルを差し入れてくれた。自分の名前のマーク入り。冷蔵庫で冷やしてあったのだと言う。細部の描写の大変さと空腹にくじけそうになっていた気持ちが勇気づけられた。彼女のためにがんばって仕上げよう。
 最上階の壁は漆喰で、その下は模様タイル。一つひとつの凝った細工が響き合って見事。省略するわけには行かない。花頭窓が難しい。スケッチブックの端で手を動かし辛く、屋根の反りが甘くなる。手すりの端が少し壊れている。それにしてもお腹減った・・。でも続きを描きにくることはできない。休んでる時間はない。
 2時間が過ぎる。二幕目の『海神別荘』が終わり、観客が出てくる。踊り場で描いている私を見て、同じ場所でたくさんの人が写真を撮っていった。もう集中力と体力は限界。なんとか見れる程度には仕上げなければ。また来れるといいな。子供をダシにして来ようか・・・。

posted by kazumim at 00:00| Comment(3) | TrackBack(0) |
この記事へのコメント
素敵なカレンダーありがとうございます。
花と駅は主人のお気に入りの絵です。
今年カレンダーに載せていただいた光の春は私の宝物です。光栄にも2枚揃って採用いただき
感激です。またギャラリー開催時にはご一報ください。是非とも主人と一緒に3枚目の購入と、共にお会いできることを楽しみにしております
寒さに向かう折、お風邪など召されないよう。
Posted by 宮下菊子 at 2009年12月03日 21:59
初めて、お邪魔しました。
いいですね。
Posted by 東雲窯 at 2010年05月14日 00:40
こんにちは、ようこそいらっしゃいませ! また時々寄って下さい。
Posted by kazumi at 2010年05月15日 00:52
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/30678572
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック